出典:https://www.kawasaki-motor.co.id/id-id/sepeda-motor/ninja/supersport/ninja-zx-25r
今回は、2021年に復活したクォーターマルチNinja ZX-25R SEを紹介したいと思います。
「排ガス規制でもう250cc四気筒(クォーターマルチ)は発売できない」そう言われていましたがKawasakiが2021年に蘇らせました。しかもただ4気筒を復活させただけじゃなく、ZXの名を冠するだけあって最初から完全装備の状態で発売されており、Kawasakiの本気が伺えます。
250cc四気筒の復活に対して排ガス問題以外にもう一つの問題点がコスト面での問題です。もし「250cc四気筒を復活させたら100万を超える」と一時期ネットでは囁かれてましたが蓋を開けてみたら税抜き77万円〜と嬉しい誤算であり人気の一台になっています。
現在このZX-25Rはタイ王国で生産がされており徹底したコスト管理の元、日本をはじめ、タイ王国、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど東南アジア中心で販売されています。現在もですが、少し前の東南アジアのバイクは実用性重視のスクーターが中心でスポーツ系のバイクを買える人はそこまで多くありませんでした。
しかし最近は徐々にですが、このような趣味性の高いバイクの売上が伸びてきております。アジアでのバイク需要は全世界の80%を締めておりスポーツバイクを買う余裕が出てきた層が増えてきたため、売上が増え大量生産ができる分コスト面での目処が付き、そのおかげで250cc四気筒が復活できたというわけです。
主要スペック
ネーム | Ninja ZX-25R SE | CBR250RR | |
---|---|---|---|
全長 | 1980mm | 2065mm | |
全幅 | 750mm | 725mm | |
全高 | 1110mm | 1095mm | |
シート高 | 785mm | 790mm | |
最低地上高 | 125mm | 145mm | |
ホイールベース | 1380mm | 1390mm | |
燃料消費 WMTCモード値 | 18.9Km/L | 27.1Km/L | |
燃料タンク容量 | 15.0L | 14.0L | |
車両重量 | 184kg | 168kg | |
最小回転半径 | 2.6m | 2.9m | |
エンジン種類 | 水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ | 水冷4ストローク並列2気筒/DOHC4バルブ | |
総排気量 | 249cm3 | 249cm3 | |
最高出力Kw(PS) | 33KW(45PS)15500回転 | 30KW(41PS)13000回転 | |
最大トルクN・m(kgf・m) | 21N・m(2.1kgf・m)/13,000rpm | 25N・m(2.5kgf・m)/11000回転 | |
内径×行程 / 圧縮比 | 50.0×31.8 / 11.5:1 | 62.0×41.3/12.1:1 | |
エンジンオイル容量 | 2.9L | 2.9L | |
変速比 | 1速 | 2.928 | 3.181 |
2速 | 2.055 | 2.187 | |
3速 | 1.619 | 1.727 | |
4速 | 1.333 | 1.421 | |
5速 | 1.153 | 1.222 | |
6速 | 1.037 | 1.068 | |
一次減速比/二次減速比 | 2.900/ 3.571 | 2.781/2.928 | |
キャスター角度 | 24゜20′ | 24° 30′ | |
トレール量 | 99mm | 92mm | |
フレーム形式 | トレリス | ダイヤモンド | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック | テレスコピック |
後 | スイングアーム | スイングアーム | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70R17M/C 54H | 110/70R17M/C 54H |
後 | 150/60R17M/C 66H | 140/70R17M/C 66H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク | 油圧シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | 油圧シングルディスク | |
税込み価格 | SE 945,000円(無印847000円) | 821700円(グランプリレッド854700円) |
250ccフルカウルスポーツの中でも高スペックモデルであるCBR250RRと比較してみます。
やはり一番最初に目につくのが最大出力が45PS(ラムエア加圧時46PS)と言うところです。レッドゾーンが17000回転からと超高回転型、しかしその代償として最大トルクの数値や発生回転数を見るとわかりますがCBRに比べて低速トルクはスカスカ。低排気量4気筒の宿命
車重は184kgとCBR250RRから+16キロ、上のクラスだとMT-07とほぼ一緒で、250ccとしては特別重いわけじゃないけど最近のバイクと比べるとやや重たい印象。
しかし最小旋回半径が2.6mと小さくホイールベースも1380mmと短いため、取り回しは優れています。
燃費は18.9Km/Lと250ccとして、むしろ現行バイク全体から見てもは悪い部類、CB400 SUPER FOURがWMTCモード値21.2Km/Lと上のクラスより燃費が悪いです。
ZX-25Rの価格は無印モデルが約85万円とCBR250RRとほぼ同等であり、同クラス帯ではかなり高価な部類です。装備面を加味するとSEモデルがかなりオトクなモデルになっているのでせっかく買うならZX-25RSEをおすすめします。
エンジン

レッドゾーンが17000回転からと超高回転型のエンジン、ラムエア加圧時46PSと、飾りじゃないエアインテークを持っています。
電子スロットルによる常に最適な混合気をエンジンに供給します。アシスト&スリッパークラッチ機能付きです。
更にパワーモードの選択が出来てハイパワーとローパワーの2種類が選択できます。
インドネシアではフルパワー状態で発売しており、最大出力がラムエア時37.5KW(51PS)15500回転、最大トルク22.9 Nm {2.3 kgfm} / 14,500 回転と実はまだスペック向上の可能性があったりします。
フレーム

Kawasakiお得意のトレリスフレームを採用しています。がいつ見ても思うのがトレリスフレーム風ダイアモンドフレームにしか見えない。逆にZ650やZ900の方がトレリスフレームっぽいのにスペック表には、ダイアモンドフレーム表記してるという違和感を感じます。
メーター周り

Ninja250、Ninja400、VERSYS-X250と共通の多機能メーターです。
- デジタルスピードメーター
- アナログタコメーター
- ギヤポジションインジケーター
- オドメーター
- デュアルトリップメーター
- 燃料計
- 航続可能距離
- 瞬間/平均燃費
- 吸気温度
- 水温(棒グラフ表示もしくは数値表示)
- 時計(12/24時間表示)
- パワーモード&KTRCインジケーター
- KQSインジケーター
- エコノミカルライディングインジケーター
- ETCインジケーター
とかなり多機能となっています。
タンク周り


15Lタンクであり、他メーカーのフルカウルスポーツより少し容量が多いです。
基本的にはNinja250とそっくりなタンク周り、4気筒だからかややタンクが大きくなったような印象を受けます、他にもトップブリッジが違ったり、メーターの装飾が違ったりとほんの少し変更があります。
足まわり

37mmのSFF-BPを装備しています。シングルディスクですがラジアルマウントキャリパー310mmの大型ディスクを装備しており制動力は車重もそこまで重くないので高そうです。

リアサスペンションは「ホリゾンタルバックリンクリヤサスペンション」と聞き慣れない単語のサスペンションを装備しています。ちょっと長い名前ですが簡単に説明するとサスペンションを水平に寝かしたような形のこと。Ninja&Zシリーズの特徴の一つですね
タイヤはラジアルタイヤでダンロップGPR300を装備してます
ヘッドライト&テールランプ&ウインカー

普段から両目が点灯します。ロービームの時はヘッドライトの両脇が点灯し、ハイビーム時はヘッドライトの中心が点灯します。
一時期あったロービムの時は片目点灯、ハイビーム時は両目点灯ではないのでだいぶスタイリングが良くなりました。

LEDヘッドライト、LEDテールランプ、しかしウィンカーだけがLEDじゃなくバルブなので気になる人はウィンカーだけカスタムする人が多い様です。
電子制御&その他装備
ZX-25Rの特徴として豊富な電子制御を持っていることです。
- トラクションコントロール(3モード)
- パワーモード選択(2モード)
- 電子スロットル
SEモデルで追加される装備として以下のものが挙げられます。
- KQS(カワサキクイックシフター上下)
- USB電源ソケット(シート下)
- ウインドシールド(スモーク)
- フレームスライダー
- ホイールリムテープ
250ccでここまでやるのか!ってくらい装備が充実しています。
価格
通常モデルが847,000円と250ccバイクとしてはやや高いですが、HONDAのCBR250RRが821700円(グランプリレッド854700円)とかなりHONDAを意識した値段設定になっています。
SEモデルが935,000円と通常モデルから+88000円となっており。通常モデルとの違いが
- グラフィック変更
- KQS(カワサキクイックシフター上下) 40810円
- USB電源ソケット(シート下) 7238円
- ウインドシールド(スモーク) 16170円
- フレームスライダー 28160円
- ホイールリムテープ 3564円
となっており通常オプションで付けると、合計95,942円+工賃になってしまいます。さらに+グラフィック変更になっているので、SEモデルがかなりお得です
まとめ
今回紹介させていただいたNinjaZX-25Rは現行の250ccクラスでは破格の性能になっておりますが、久々に復活したクォーターマルチと言うこともあり約85万円〜と車体価格だけなら大型ミドルクラスと変わらない程度まで価格が上昇しています。
ただもしサーキットに興味があるけど、いきなりレースベース車に手を出す気にはなれない。って人にはZX-25RはCBR250RRと並んで最適なバイクかもしれません。
なぜならZX-25R専用のワンメイクレースがKawasaki公式で開催されており、またZX-25Rワンメイクレース以外にもKawasaki公式で、レース未体験の初心者向けのKAZEサーキットミーティング(車種はスクーター、モトクロス用ブロックタイヤ車、クルーザー、以外は参加可能)があるので、KAZEサーキットミーティング→ZX-25R専用のワンメイクレースとステップアップするのに最適です。
ただレースに興味がない人には人によって値段の感じ方が変わる1台だと思います。新車で電子制御がある250cc4気筒の規制いっぱい45馬力を85万で買えると思うか。
もしくは、85万円を払うなら大人しく大型バイクを買うと思うかは、本当に人それぞれだと思います。
しかしこの排ガスやら騒音やらで規制が厳しくなる中4気筒を復活させたKawasakiには脱帽します。ですので最後に一言だけ言わせてもらうと
Kawasakiさん250ccで4気筒だしてくれてありがとう
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