出典:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/tenere700/
今回はYAMAHAが販売している伝説的なバイクTénéré700を紹介したいと思います。
Ténéré700World Raidとの比較はこちらから
「Ténéré」ブランドはすでに40年近い歴史があり、その名はパリ・ダカールラリーが行われていた頃の難所・テネレ砂漠に由来しています。
出典:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/tenere700/story.html
おそらくこのTénéré700が販売されたとき皆さんは、いい意味でも悪い意味でもびっくりしたと思います、コンセプトモデルの「T7」は、まるでパリダカマシンのようなスタイリング、久々の本格ビックオフと喜びました。
しかしいざ販売してみたらMT-07ベースとしては驚きの価格126万円(50万近い価格上昇)、MT-07が184kgの軽量級バイクなのに蓋を開けたらオフ車としてみたら重い204kgのダブルパンチで購買意欲が削がれた人たちも多いと思います。
しかしこのTénéré700は現行バイクの中では唯一無二の魅力もったオフロードバイクなので、その魅力をまとめて語っていきたいと思います。
主要スペック
ネーム | Ténéré700 | Ténéré700World Raid | MT-07 | |
---|---|---|---|---|
全長 | 2370mm | 2370mm | 2085mm | |
全幅 | 905mm | 905mm | 780mm | |
全高 | 1455mm | 1490mm | 1105mm | |
シート高 | 875mm | 890mm | 805mm | |
最低地上高 | 240mm | 250mm | 140mm | |
ホイールベース | 1595mm | 1595mm | 1400mm | |
燃料消費 WMTCモード値 | 24.0Km/L | 24.6Km/L | ||
燃料タンク容量 | 16.0L | 23.0L | 13.0L | |
車両重量 | 204kg | 220kg | 184kg | |
エンジン種類 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | |||
総排気量 | 688cm3 | |||
最高出力Kw(PS) | 54KW(73PS)9000回転 | 54KW(73PS)8750回転 | ||
最大トルクN・m(kgf・m) | 67N・m(6.8kgf・m)6500回転 | |||
内径×行程 / 圧縮比 | 80.0mm×68.5mm/11.5 : 1 | |||
エンジンオイル容量 | 3.0L | |||
変速比 | 1速 | 2.846 | N/A | 2.846 |
2速 | 2.125 | N/A | 2.125 | |
3速 | 1.631 | N/A | 1.631 | |
4速 | 1.300 | N/A | 1.300 | |
5速 | 1.090 | N/A | 1.090 | |
6速 | 0.964 | N/A | 0.964 | |
一次減速比/二次減速比 | 1.925/3.066 | N/A | 1.925/2.687 | |
キャスター角度 | 27゜00′ | 24°50′ | ||
トレール量 | 105mm | 90mm | ||
フレーム形式 | ダブルクレードル | ダイヤモンド | ||
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 | ||
後 | スイングアーム式 | |||
タイヤサイズ | 前 | 90 / 90-21M / C 54V | 120/70ZR17M/C (58W) | |
後 | 150/70 R18M/C 70V | 150/70 R 18 M / C 70V M + S | 80/55ZR17M/C (73W) | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスクブレーキ | ||
後 | 油圧式ディスクブレー | |||
日本税込価格(ユーロでの価格) | 1265000円(10574€) | 予想148万〜155万(12874€) | 814000円(7474€) |
まず最初に見て思うことは、MT-07ベースと思いきやベースになったMT-07とはエンジン以外完全な別物、むしろエンジンだけ共通という感じです。
ホイールベースが195mm、車重が20キロ近く増えているので良く言えば安定性が向上していますが、悪く言えばオンロードではMT-07と比べたら動きが重く感じるかもしれません。
エンジン
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
YAMAHAの誇る傑作エンジン、MT-07と一緒の排気量688cc4ストローク水冷2気筒270°クランク「CP2エンジン」です。軽量・コンパクト・扱いやすさ・トルクフルとオフロードバイクに必要な要素が全て揃ってる。
欠点はエンジンまわりの電子系がまったく無く、電子スロットル・クイックシフター・走行モード切り替えなどの最近は当たり前になってきた装備はありません。(オプションもなし)
フレーム
出典:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/tenere700/
ダブルクレードルフレームに変更、ホイールベースも1400mm→1595mmとロングホイールベースになりました。ちなみにスイングアームはアルミになっておりアルミ製重力鋳造という剛性、強度、軽量化をしたようです。
メーター周り
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
今どきのバイクっぽくない見た目のメーターですが、ハンドルやスクリーンと比較してかなり大きそう。強い太陽光の中でも見やすい様になっています。
メータ上部にアクセサリーバー、左サイドに充電用12VのDCジャックが付いています。ナビやスマートフォンを後付できます。だからこそ純正メーターはそこまで機能を持たせず見やすさ重視でシンプルな設計なのかもしれません
- デジタルスピードメーター
- デジタルタコメーター
- 時計
- ギアポジション
- 環境配慮でECOインジゲーター
- ツイントリップ
タンク周り
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
16Lのスリムタンクを採用、航続距離380km以上あります。オフロードバイクとしてはかなり長い航続距離、アドベンチャーバイクとしてみたらやや物足りない数字です。
ハンドルはアルミ製テーパーハンドル、ナックルガードは標準装備です。
足まわり
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
大型バイクでは珍しいチューブタイヤに変更、スポークホイールになりよりオフロードバイクになりました。
正立フォークから倒立フォークに変更、43mm径、ストローク210mmとMT-07より大型化しました。
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
新設計リンク式モノクロスサスペンションを採用、ストローク量が200mmありかつ出先でも調整しやすいように設計されてます。
足まわりは完全別物ですね
ヘッドライト&テールランプ&ウインカー
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
ヘッドライトは特徴的な4眼LED、フルトランスペアレントヘッドと言うらしいのですが今のダカールマシンの主流であり、要は透明なフロントカウルにヘッドライトを複数個埋め込んだ形です。
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
テールランプもLED、唯一ウィンカーだけがLEDじゃないです。正直ウィンカーはLEDにしてほしかったです。
その他装備
出典:https://www.yamaha-motor.eu/de/de/products/motorcycles/adventure/t-n-r-700-2022/
- アルミ製サイドスタンド
- アルミ製アンダーガード
- ナックルガード
- 高さ調整可能なフロントフェンダー
- 着脱可能フットレストラバー
- 荷掛けフック
- オンオフ切り替え可能ABS
価格&比較
税込価格で126万5000円と大型ミドルクラスとしては結構いいお値段します。
ベースのMT-07と比べて足まわりの強化&オフに最適化、エンジン以外ほぼ新設計なのでここまで値段が上がってしまった感じですかね。
テネレ700のライバルとして比較になりそうなバイクは今のところ、オンロード寄りならSUZUKI V-Strom650XT (96万8千円)、オフロード寄りならKTM690ENDURO R(152万円)です。

まとめ
まとめてみると、Ténéré700アドベンチャーバイクではなく2気筒のビックオフロードバイクと言えることです。
タイヤはチューブレスではなくあえてチューブタイヤにしてオフロードの性能を高めていますし(オフロードを走る場合空気圧を抜いてタイヤ接地面積を増やすため)フレームはコスト削減するならMT-07と共通にも出来たのにあえてオフロード寄りにダブルクレードルフレームにしてます。
サスペンション至っては、完全に別物になっていますし、外観のアピールポイント4眼のヘッドライトくらいで余計なものは削ぎ落としています。
つまりTénéré700は無駄な機能は持たせずシンプルなバイクであるが、本気のオフロードバイクです。
YAMAHAさんも開発するとき普通はオンロード:オフロード=9:1で開発するものなのに、Ténéré700はオンロード:オフロード=1:9で開発したと言っています。
そして”1台で世界中どこにでも行けるバイク”とYAMAHAさんが謳っているようにまさにTénéré700は地球上どこでも行けるバイクだと思います。
余談ですが、海外勢はTénéré700でオフロードバイクとしてがんがん使っています。日本人にはちょっとむずかしいかもしれません。
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